建築ミニ知識
家を建てるには、わからないこと・難しい言葉がたくさんあるもの。ここでは、知っておくと得をする、建築に関するミニ知識をご紹介していきます。
五寸角をとるには
吉野産の檜の場合、最低でも60〜70年生以上でないと五寸角はとれません。四国・九州地方では吉野より約20年程度早く同径の材料がとれますが、吉野のように適度に厳しい条件下の方が、芯が強くなるといわれています。
背割・無背割
背割とは、イラストにある「すじ引き」のことです。背割があることで、木の中心までしっかり乾燥し、狂いの少ない材料になります。最近では木材乾燥技術が進み、高周波による乾燥方式で背割をつくらなくても乾燥できるようになり(無背割)、さらに狂いが少なくなりました。
芯持ち材
芯持ち材とは、名前の通り、「芯」を持っている材木のことです。木は大別して木の中心部の赤い部分(赤身)と、まわりの白い部分(白太)とから構成されていますが、中心部分の方が腐食しにくく、耐久性にも富んでいます。
木材の話 CO2と規格
木材を使うことはCO2の抑制に大きく貢献します
私たち人間は、ほんの少し前まで、木材を主たる資源として生活してきました。しかし、現在では、地下資源である化石燃料、特に石油に頼って生活しています。
自然のリサイクルの中で「再生」できる木材と異なり、化石燃料は作り出すことのできない資源です。特に、化石燃料を使うことは、遠い昔の生物が固定化したCO2を、無駄に放出することでもあります。このため、地球温暖化でも問題視されているCO2排出を抑制する現実的な手段の一つとして、古き良き資源である木材(森林)への回帰を、世界中が真剣に検討しています。
鉄やアルミニウムをつくるときに排出されるCO2量は、原木から柱をつくるときに排出されるCO2量の数十倍ともいわれています。逆に言えば、木で家をつくることは、地球規模のCO2排出量の抑制に対して、とても大きな貢献なのです。
また、森林を育てることは、CO2を木として固定化することでもあります。現在、日本の森林が蓄積しているCO2量は、14億トン近くにも達します。もしこれらの木材がうまく使われず、そのために森林が減らされてしまったらどうなることでしょう?
一種、パンドラの箱をあけてしまうのと同じくらい、おそろしいことかも知れません。
しっかりとした品質管理で他の材料に劣りません
無垢の木材に、工業化製品などとは違って「狂いやすい」などのマイナスイメージを持っている方も多いようです。
しかし、木には日本農林規格、いわゆるJAS規格というものがあり、それによって無垢の木材も品質管理されています。材寸や含水率、ヤング係数値などもその品質内容に含まれています。
また、吉野銘木では、JAS規格の1級およびそれ以上の厳しい独自規格を取り決め、日々、品質管理を徹底し、その使い方を熟考しています。
他の材料と比べて不安になることはありません。
耐力壁
一般に壁と呼ばれるものの中でも、筋交(すじかい)の入った壁や、合板などの面材によって構成された壁のことを、「耐力壁」と呼びます。風や地震など建物にかかる「横からの力(水平荷重と呼びます)」に対して抵抗する働きを持っています。なお、建築基準法では、その住宅の規模によって必要な耐力壁の量が決められています。
壁倍率
耐力壁の強さを「筋交の太さや入れ方」「面材の種類」によってランク分けしたものを、「壁倍率」と呼びます。数字の大きいほうが強い壁を示し、5.0を最大として建築基準法で詳しく定められています。
例えば、3cm×9cmの筋交が1本入った耐力壁は壁倍率が1.5です。その3cm×9cmの筋交がたすき掛け(「 X 」の字型、2本入ります)に入った耐力壁は、壁倍率が1.5×2本分で3.0になります。
制震工法
「制震工法」とは、ガッチリ固めてしまうだけではなく、家にショックアブソーバーをつけようという工法のことです。粘弾性ダンパーが地震の衝撃的振動を吸収して弱め・かわしてから、従来型の耐震性能を活用して耐える仕組みになっています。建物の基礎に積層ゴムやベアリングを挟んで地震の揺れから逃げる「免震(めんしん)工法」に比べて、コストは実に1/5程度で、大地震のエネルギーを中程度に減衰させます。また「免震工法」と違って、地盤を選ばず、工期にも影響がなく、地震の際の建物ダメージもかなり小さくできるなど、とても手ごろで、効果的な地震対策です。
今までは高層ビルメインのシステムでしたが、これからの住宅の地震対策システムとして、建築基準法でも認定基準の検討が急がれています。
ヤング係数
ヤング係数のヤングとは、イギリスの物理学者・医者・考古学者でもあったトーマス・ヤングの名前に由来するものです。「材料の変形しにくさ」をE○(○は数字・大きいほど変形しにくい)といった形で表記します。今日の住宅販売では「ヤング係数が高いほど良い」とするような傾向が多く見られますが、あくまで単なる「変形しにくさ」であり、この数値のみで建物の強さを判断するのは危険です。
梁【はり】
梁は、建物の柱の上に横方向に渡し、床や屋根を支える材のことです。
規矩術【きくじゅつ】
規矩術とは、木造建築の構造部材の接合部を、曲尺(さしがね)によって実形を描き出す図式解法です。古くから「物事の折り目・筋目をつけ、おこないを正す」を意味する「規矩準縄(きくじゅんじょう)を正す」という言葉があります。この「規矩準縄」とは大工道具のことで、それぞれ、「規」はコンパス、「矩」は曲尺(さしがね:曲矩とも書く)、「準」は水盛り(水平を測るもの)、「縄」は墨縄(鉛直を測るもの)をあらわします。
棟梁【とうりょう】
棟梁とは、大工職人の親方のことを指します。元来、奈良時代においては屋根の棟に架かる梁のことを棟梁と呼びました。室町時代になって、建築工事組織における最高の技術指導者であり監督である木工大工に次ぐ地位として、棟梁と呼ばれる地位ができました。







